もしもし?私電話男です。

それからしばらく沈黙が続き、夕日が沈もうとしていた時だった。



足音が聞こえる。



…とうとう誰か来たのか。


俺はとっさに銃を構えた。


まぁ、撃てるわけがないんだけど。



こちらに来たのはどうやら年寄りの夫婦のようだ。



まさかこんな人達が尾張さんを殺すなんてそんなの考えられない。



夫婦は俺の銃に怯えていた。



そんな光景を見た俺はすぐに銃を下ろしていた。



「美景…たとえ顔が違っても私達の娘だ。」



「一緒に帰りましょう。」



…え?



尾張さんはこの夫婦の娘!?


でも一緒にいたいだけみたいだ。



ほら見ろ。やっぱり殺してなんか来ないじゃないか。


「嫌だから自らホームレスになったんだから放っておいてよ。」



「何がそんなに嫌だったんだ。」



「……箱入り娘として育てられて、もっと外の世界に出てみたかったの。ただ、それだけ。」



「じゃあずっとここに?」



「ここもいずれ出るし、家にも豪邸にも帰らない…って何で場所分かったの」



「そっ…それは…」



何か聞かれては行けない理由でもあったのだろうか。


「もう出ってよ。」



「家じゃなくてもいい。ただホームレスは心配だ。家賃ぐらい出してやるから、あとは好きにすればいい。」