「高槻くん新しい靴飾っておいて。」



「はいはい…」



「そしたら今日はもう帰っていいよ。」



「分かりました。」



ここはこじんまりとした小さな靴屋。



そこで雑務全般を任されているアラサー独身そして…


自他共に認める機械音痴のせいで会社をクビになった経験あり。



ましてやケータイすらそのせいで持てない。



決してデジタルアンチテーゼなのではない。



その男の名は、高槻 都央留。



今日も、雑務を無事終えて家に帰る。



あっ!



やばい…言い忘れた。



明日靴屋に行けないってこと。



ケータイ持ってないし…



そこで利用するのが家から徒歩5分にある公衆電話だ。よく利用させてもらってる。



店長に連絡するため、公衆電話に入る。



俺は何となくお金を入れる前に、0000000000と0を10回押した。



その時だった。



「現金入れてから電話しろ。」



今何処からか声がしたような…気のせいか。



「無視するな。」



……今この電話から聞こえたような。



まぁいいや。俺はお金を入れた。店長の番号を押そうとするのだが…