「いいえ」

 咲子が答える。

 先生の問いを宿題にする必要はまったくなかった。心がYES!と言っていた。先生の誘いにゴーサインを出しまくっていた。

 だから咲子は自分の心の声に従った。

「そうする必要ありません。私、先生とお付き合いします」

「本当に?」

「はい」

 咲子が微笑むと、先生はさらに明るい表情を浮かべた。

「ああ、うれしいな。じゃあ、また今度連絡しますよ」