作業中にうっかり手を止めてしまったら、同僚に声を掛けられた。

「姐さん、大丈夫ですか」

「あ、ごめんなさい。私としたことがぼんやりしてしまって」

我に返ると、ベルトコンベアの規則的な機械音が耳に入ってきた。

「姐さんはまだ本調子じゃないんですね。無理しないでくださいよ」

病み上がりだからぼんやりしているのを咎められずに済んだけど、自分はグループリーダーなのだからしっかりしないといけない。

咲子がいない間、グループのスタッフはよくがんばってくれて、リーダーの抜けた穴もカバーしてくれた。咲子も入院する前に下準備をしておいた。