そんなことを考えながらぼんやりと坂井医師を見ていたら、ふいに彼が話を終わらせてこちらを見た。その顔には笑みを浮かべている。 咲子はびっくりして目を逸らした。 ヤバい。眺めていたのがばれたかもしれない。 けれど、目が合うことなんてままあることだから、気にしなくていいやと思い直した。 でも、これからはあからさまに視線を向けないように気をつけよう。これからなんていってもあと一週間ほどで退院だけど。 坂井医師は一礼して病室を去った。