ディナーを終えた後、咲子がテーブルの上にリボンのかかった包装紙を置いた。今夜、彼に会えると期待してはいなかったけど、用意していたプレゼントだ。
「はい、これ。クリスマスプレゼント」
「用意しておいてくれたの?」
「うん、そうだよ」
早く開けてみてと咲子が目で促す。
先生が包装紙を丁寧に開ける。中からザックリとしたニットのマフラーが出てきた。
「もう、持ってると思ったんだけど」
「いや、こんなに素敵なやつは持ってないよ。心にしみるプレゼントだ」
そう言って彼はモスグリーンのマフラーを首に巻いてみせた。それなりの仕事に就いている大人の男性に、一体どんな物をあげていいかわからなかったけど、どうやら彼は咲子の選択を喜んでくれたようだ。
「ふふ。かわいい!」
「かわいい? これを巻いた僕が?」
「うそうそ。似合ってる」
二人は笑みを浮かべている。


