赤龍は全国トップの暴走族。


そのネックレスの存在を知らない人はまずいない、と言ったほうがいいだろう。


俺は軽くパニックになって女の手を払いのけた。


総長だってことはばれなかったと思うが、赤龍のやつだってことは分かってしまった。


これはとんだ大失態だ。


今まで地味男を演じてきたのにその意味がなくなる。


いや、でもいくらなんでもこんな地味男が全国トップの暴走族に入ってたりしたら普通怪しむよな?


俺は女の表情を伺う。


大丈夫だ。
こいつはクラスでも地味で目立たない奴だ。

こんな奴なんかにバレたりはしな……


「あんた、赤龍の総長だろ?」


そいつはニヤリと笑ってそう口にした。