耕心side

 「ただ今より第三十回日比野第一中学校卒業証書授与式を挙行します」

2年までは在校生側で聞いてきた、教頭のアナウンス。

「ただ今をもちまして第三十回日比野第一中学校卒業証書授与式を終了します」

それも今年は卒業生側で聞いた、そして今俺は中学を卒業した。他の奴は4月から

高校に通う。でも俺は1週間後にはアメリカに行かなきゃならない。それも親の都

合で。マジありぇねー。ふざけんなぁ!

俺の意見も聞かずに勝手にアメリカ送りだなんて俺は自分で進路を決めるつもり

だったのに……
そんなこと親父に言っても聞いてくれるはずもなく今に至る。

そんなことを考えながら体育館から第一校舎へ繋がる渡り廊下を歩いていると

凄いスピードで俺の方へ向かってくる奴が見える。

璃瑶樺だ。

七星璃瑶樺 (ななえ りょうか)といって俺の幼なじみ。

バスケ部のムードメーカー。

璃瑶樺は女みたいな名前だけどれっきとした男。璃瑶樺の喧嘩は凄く強くて今ま

でにかったやつは俺1人

見た目も女みてぇーだから

だいたいの奴らはなめてかかってくる。

その度に璃瑶樺が片っ端から潰していく

そして璃瑶樺と俺は紫耀龍という族に所属している。

俺はNo.3璃瑶樺はNo.4

中学生で幹部になったのは俺らが初めてらしい

族には総勢700人の人間がいる。

その中で幹部に昇れるのはたった5人!

No.1は俺の兄貴で川藤翔心(かわふじ しょうしん)No.2は璃瑶樺の兄

貴で七星咲香(ななえ しょうか)

No.5は兄貴達の親友の藍川羅都籠(あいかわ なつる)

羅都籠さんはぜってぇーに喧嘩をしないんだ。

可愛い奥さんの為に……もう二度と大切なモノは失いたくないらしい。

俺と璃瑶樺は兄貴達と6つ離れていて今年大学4年。
俺らの自慢の兄貴達。
そして俺らの夢は
兄貴達みたいな族のトップに
なること
でも、俺はもうすぐアメリカ
行きだから璃瑶樺に任せることにした。