「あ、うん!」


あたしはそう返事をして部屋に入った。


「ね、泉くんいないよ?」


と隣に座る実果ちゃんがこっそり聞いてきた。



「と、トイレにでも行ったんじゃないかな?」



ていうか、どこ行ったのよ!
千里っ!!


まさか、自分の部屋にいるんじゃ!



「あ、ちょっと待ってて、
飲み物持ってくるね」



あたしはそう言って部屋を出た。


真っ先に向かったのは千里の部屋。


―――コンコン



「ん?」


「入るよ」


ちょっと小声で言ってから扉を開けた。