誓いのキスもどきから
月日が経ち、3年生は受験シーズンに入った。



あたしは結局、大学には行かず、
就職をすることに決めた。



千里は家でも学校でも勉強漬けの毎日。



時々苦しそうな顔をしているのが
分かる。



それでも、あたしにできることなんて無くて、
そんな光景をいつも遠くから見ているだけ……



何かしてあげられたらって思うけど……
何ができるのかな………?




「……千里…なんか飲む?」



あたしの部屋で黙々と勉強を進めている千里に声をかけた。




「おう!頼むよ!」



辛いはずなのに、
あたしには一切当たらず、いつも笑顔で返事をしてくれる。



「分かった」



あたしは自分の部屋をそっと出て、
キッチンに立った。