「…ねぇ、ここにある大学の資料、
すべて、県外じゃん……?」
「…ああ。」
千里は深く答えようとはしなかった。
「……ちゃんと話そうと思ってたのに。
お前が勝手に見るから……」
ちゃんと…話そうと思ってた?
「……じゃあ、どうして、
あたしがこれを見つける前に話してくれなかったの?
さっきあたしが聞いた時に『ちゃんと決まってから』とか
言わないで、話してくれたら良かったじゃない!
県外なんて………離れちゃうじゃん……」
あたしはそう、自分の言いたいことだけを
千里に押し付けて、家を飛び出した。
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