「でも、俺…家出て良かったよ」
「……へ?」
「お前にまた会えた。」
そう言ってあたしの体を優しく抱きしめた。
千里、ほんとにそう思ってる?
ほんとは家を出て後悔したんじゃない?
お母さんとお父さんに会いたいんじゃない?
あたしは千里の手の暖かさから
そんなふうに読み取った。
「…千里、あたしも会えて良かった。」
「…望未…っ」
「…んっ」
千里はあたしの唇を塞いだ。
ちゃんとお母さんとお父さんに
話したほうがいいよ……千里……
そう言いたかったけど、
今の千里には言うことができなかった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…