「お〜いっ!望未ちゃん!」



海に着いてあたしが
キョロキョロしていると、
遠くの方から由佳ちゃんの声が聞こえた。



「あ、あそこだ!由佳ちゃんたち居る!」


「あ、おい!走ると転ぶぞ!」



あたしは走りだした…………



…………うっ!砂に足を取られるっ!




「こ、こけ……」


「あぶっ………ね…」



転ぶ恐怖で思いっきり閉じていた目を開けた。



「………っ!」



あたしの体を支える千里の頭があたしの目の前に。


さらっとした髪の毛が
鼻をくすぐる。



「……大丈夫か?
ほら、言わんこっちゃねぇ」



そう言ってあたしの体をちゃんと
起こしてくれた。