「………望未……?」 「………あたしは、嫌…だ」 「望未…っ」 あっ! 千里はあたしの体をギューッと抱きしめる。 あたしの肩に顔を埋めて 唇を噛み締めているのだろうか…… 泣きそうになるのをこらえているような 息が聞こえる。 「…て」 「え……?」 「俺だって嫌に決まってるだろ!」 ……っ! “俺だって嫌に決まってるだろ!” 胸が締め付けられるように 痛い……… でも、嫌な痛みじゃない……… むしろ嬉しい………