「…出ないな……」 あたしは電話の切るボタンを押して、 携帯をまたポケットにしまった。 お母さんなんだったんだろ……? 間違えてかけたのかな? 機械音痴だから間違えた可能性は大だよね。 なんて思っていると アパートにたどり着いた。 少し古びた2階建てのアパートの 2階に住むあたしは、 1階にあるポストを覗いてから 階段で2階に上がった。 鍵を開けて中にはいる。 窓を閉め切っていたからか 外よりは暖かい空気だった。