「諦めようって思ったんだ」


突然語り始めた堤くん。


「前、抱きしめた時、
もう、諦めないといけないんだって、
そう思ったんだ……でも、どうしても目をつむれば
冴島さんが浮かぶし…でも、冴島さんは……」




――――『泉と付き合ってんだからって』




堤くんは堤くんなりに
あたしのことを諦めようとしてくれていたんだ。


ちゃんと言わなきゃ。



ちゃんと千里への気持ちを言わなきゃ………