部屋に入れば千里は
ベッドの上に座ってあたしの方を見てた。



…………っ



ここまで来たのに足が固まって動かない。



あたしの足!しっかりしてっ!



そう思う心の声も震えている。



「どうした?望未…」



ドキン……



“望未”



あたしの名前を呼ぶその声が聞けるだけで
それだけで、嬉しい気持ちになる。




まるで、誰かに片想いをしている時のようだ。



「あ、あのね……あの…、」


「焦んなくていい」


千里の暖かい声に頷く。



「こ、これ。あげる。」



千里のもとに近づきチョコレートを手渡した。