「ん?」 「き、昨日…は…ご、めん…」 「何が?」 ゆ、勇気を出して謝ったというのに、 千里が言ったのが『何が?』だと!? 「え?」 あまりの回答にあたしの口からやるせない声が漏れる。 「なんで、お前が謝る。悪いのは俺だろ?」 え? 千里はそう言って、 八重歯を見せて笑って家を出て行った。 でも、その笑顔は辛そうで。 やっぱり、あたしの……せいだよね…… あたしが素直じゃないばっかりに…… 千里を傷つけていたんだ。