「ひ、一目惚れ……」


怖さで声が裏返ってしまう……



「そう。一目惚れ」


「…そんな…あたしなんか…」


「どうする?早く決めてよ」



ど、どうすればいいんだろう………


こんなとき、少女漫画とかなら
彼氏……が助けに来るんだろうけど、
あいにく、千里は部活中。


来るわけ無い……



「…っ」


グイッと腕を掴まれあたしは
グッと目を閉じた。



「…抵抗しない?」


「…て、抵抗出来ない。バレたくないもん…
千里が大切だから、一緒に居られなくなるの嫌だから。」



あたしは今思うことを精一杯伝えた。



それで、堤くんの心が少しでも変わるなら、と。