「まぁまぁ。
とりあえず目立つからさ、違うとこに移動しよっか。ね?」
「「「「あ、うん」」」」
「面倒くさ」
珍しく真面目なことを言った女好きに、なんとなくイライラしながらも腕を引く斗真に付いていく。
いつもの地理室かな。
あ、あそこパソコン置いてたかな。
どうだったか忘れたや。
「ねぇ衣蔓、あそこにパソコン置いてたっけ?」
「…多分あるんじゃない」
曖昧な返事だったけど、まぁいっか。
「あったら話出来るね。
今日皆に動いて欲しいこと、報告する」
こくん。
あたしの言葉に頷いた皆の顔を見て前を向くと、もう地理室についていた。
ここはもう名前だけで、授業などでは使われていない。
それを知ってあたしたちはここを勝手に溜まり場にしてる。

