夜姫-Lie girl-上





「まぁまぁ。

とりあえず目立つからさ、違うとこに移動しよっか。ね?」

「「「「あ、うん」」」」

「面倒くさ」




珍しく真面目なことを言った女好きに、なんとなくイライラしながらも腕を引く斗真に付いていく。



いつもの地理室かな。



あ、あそこパソコン置いてたかな。
どうだったか忘れたや。




「ねぇ衣蔓、あそこにパソコン置いてたっけ?」

「…多分あるんじゃない」



曖昧な返事だったけど、まぁいっか。



「あったら話出来るね。
今日皆に動いて欲しいこと、報告する」



こくん。


あたしの言葉に頷いた皆の顔を見て前を向くと、もう地理室についていた。


ここはもう名前だけで、授業などでは使われていない。

それを知ってあたしたちはここを勝手に溜まり場にしてる。