「はぁ、もう誰もいないし」
元々少ない女子はさっさと走っていったし、この学校にいる男子は大体玄武に入ってるから幹部や副長、総長に尊敬してます的な視線を浴びさせてるんだろうな。
恥ずかしい人達。
さて、あたしは今日の夜のために眠ろうかな。
そう思って顔を伏せるけど、遠くにいるはずの声が教室まで聞こえてくるから止めて、校内をウロウロすることにした。
……あたしは、ただ彷徨くだけ。
そんな、自分から玄武たちに会うとかじゃなくて、“向こうから”あたしに会いに来てくれるだろう。
ま、特に話すこともないけど。
あたしの仕事柄、玄武に会わなきゃいけないのが尺だ。
それに、今は夜じゃないしね。
そんなのはアイツには関係ないだろうけど。

