夜姫-Lie girl-上




「はぁ、もう誰もいないし」






元々少ない女子はさっさと走っていったし、この学校にいる男子は大体玄武に入ってるから幹部や副長、総長に尊敬してます的な視線を浴びさせてるんだろうな。






恥ずかしい人達。






さて、あたしは今日の夜のために眠ろうかな。







そう思って顔を伏せるけど、遠くにいるはずの声が教室まで聞こえてくるから止めて、校内をウロウロすることにした。






……あたしは、ただ彷徨くだけ。





そんな、自分から玄武たちに会うとかじゃなくて、“向こうから”あたしに会いに来てくれるだろう。







ま、特に話すこともないけど。







あたしの仕事柄、玄武に会わなきゃいけないのが尺だ。


それに、今は夜じゃないしね。





そんなのはアイツには関係ないだろうけど。