君が笑う理由



…こう
いいタイミングで桐沢
出てくるしなっ



「あれ、桐沢じゃん?」



クラスの看板の色ぬりを
任せられた俺と康太は
ちょうど廊下にいた



「桐沢ー!うちのクラスに用事?」



すかさず、康太が声をかけた




「しのどこ」

「水城ちゃん?中、1番後ろの方!」

「どうも」




何か水城に用事だったか
でも、すぐに出てきた




「桐沢」

「……なに」

「ちょっと話がある」

「……今?」

「いやっ…別に今じゃ」




"今じゃなくていい"
そう言おうとしたが
"こっちに来い"そう言って
勝手にどこかへ行こうとする桐沢





「悪い康太っ」

「あ、いや……いってら~」





向かった先は階段の下にある
暗い空間だった

誰もこんな所に来ないせいか
少しホコリっぽく空気が悪い




そこで桐沢の足が止まり
振り向き、俺と向き合った






「なに?」






ストレートに聞く桐沢に
どう切り出せばいいのか
迷っていた俺に向かって
桐沢はまた口を開く





「しののことだろ」

「………あぁ」