占いの店が写し出される。店の中では、たかしがタバコを吸っている。
たかし 「あきら、何か飲み物持ってきて。」
あきら 「はい。」とアイスコーヒをもってくる。
あきら 「たかしさんは、人使いが荒いんだから。」
たかし 「ただ、飲み物を頼んだだけだろ。」
すると50才ぐらいの女性が入ってくる。
女性 「すいません。予約していた山田ですけど。」
あきら 「はい、お待ちしていました。どうぞ」
たかしは、寝そべっていた体を起こしタバコを消して机の前の椅子に座る。
たかし 「あーどうぞ」
山田 「よろしくお願いします。」
たかし 「今日は、何を占って欲しい。」
山田 「うちの娘は、有名私立中学を出て、有名私立高校に通っており、今年、受験で成績が伸びなくなって来て、東大に受かるかどうか心配で。」
たかし 「はい。占いましょう。」と水晶を見ると、たかしの顔が強張る。
たかし 「あなたの娘さんは、今年中に死ぬでしょう。」
山田 「なぜ、どうして」と動揺する。
たかし 「俺の予言は、絶対に当たる。あなたの娘さんは、受験を苦に自殺します。」
山田 「まーどうしましょう」と泣き出す。
たかし 「どうして俺が神に近い男と言われるか教えましょう。私は、人の運命を変え
     られる。娘さんをお助けしましょう。」
山田 「お願いします。何でもしますので。」
たかし 「それでは、私を当分の間、家庭教師として娘さんの勉強を見させてもらいま
     す。」
山田 「はい。」と不思議がる。
たかし 「そして、娘さんの運命を変える。お母さんは、いつもと同じ態度で接して下
     さい。」
山田 「はい。宜しくおねがいします。」と山田が帰って行く。
あきら 「受験を苦に自殺ですか。」
たかし 「あーそうだ。」
あきら 「そんなのを苦に自殺なんて考えられないなー。そういえば、たかしさん勉強出
     来るんですか。」
たかし 「いや、勉強は苦手だ。」
あきら 「大丈夫ですか。」
たかし 「大丈夫。」