クラスは一つの王国で、そのトップたる王様、女王様は人気者。多少の我が儘や無茶はすんなり通る。

 だって、トップだから。

 それに私を例えるなら――――ただの民。しかも民でもしたっぱ。その他。いくら正しいことを言っても、意見を出しても、なにも響かない。
 いいとこ取りをされるだけなら、大人しく、それなりに学生生活を送れたなら、それで。



 淋しくない。
 苦しくない。
 私は、そんなの大丈夫―――――。








「おーい」





 式のあと、空となった教室には私しかいなかった。他は部活の後輩のもとや、それぞれ思い思いのところにいるはずだ。

 私は自分の席でぼんやり、窓や「卒業おめでとう」と書かれている黒板を眺めていた。





「なんだよ、こんなところにいたのかよ」

「純?」