狼との恋

そのころ原田は別のあばら家に隊士たちと辿り着いていた。
左之助「テメェらぁ!全員生きてんだろうなァ!」
隊士「おおおっ!」
原田の言葉に隊士たちは大きな声で答えた。
左之助「ここでしばらく様子を見て衛士の奴らに見つからねぇように屯所に戻れ
ここを突っ切れば七条通に出られる」
隊士「隊長?」
左之助「テメェらはオレに似て無謀極まりねぇ。だが日の出を拝むまで息してねぇやつは10番隊と認めてやらねぇ」
隊士「まさか…隊長!」
左之助「オレは新八を迎えに行く!」
隊士「無茶です 隊長!死ぬ気ですか
隊長!隊長〜!」
隊士の言葉を聞かず原田は走り出した。
左之助「(死ぬ気…?まさか。死ぬ気な訳ねぇ。死ねる訳もねぇだろう)」
傭兵が道を塞いだ。
傭兵「おぅ おぅ でかい隊長さんかっこいいね〜!『ここは通さねぇ』ってか?」
左之助「いや ちょっと違うな。そこを通してもらおうか。(俺は死に損ねの原田左之助様だろうが)」
原田は槍を構えた。