狼との恋

油小路
衛士「誰もいないぞ?」
衛士「たしかにここだと…」
衛士「十字路の中央!あの籠…」
衛士「伊藤先生!」
衛士「そんな!本当に!」
悲しむ衛士たちを黒装束を着た新選組の隊士と永倉 原田が取り囲んだ。
衛士「白々しい格好だな。悪事でなければ堂々と振る舞ってはどうだ。士道が泣くぞ 新選組!」
衛士「良い舞台ではありませんか。今宵の新選組の不誠と無様な骸をさらすには」
左之助「骸?」
衛士「伊藤先生 あなたのおっしゃった通りになりました。まさか…まさか本当にここまで見事に罠に掛かるとはね」
この言葉で潜んでいた傭兵(ようへい)が周りを取り囲んだ。
左之助・新八「!?」
隊士「なんだ こいつら いつのまに」
隊士「隊長!囲まれています!」
隊士「なんなんだよ!」
隊士は慌て始めた。
左之助「くっそ!御陵衛士の奴らいつの間にこんな増えやがったんだ」
新八「よく見ろ 左之 こいつらは浪人っつーより傭兵つったほうがしっくりくる連中みたいだぜ」
左之助「円陣を乱すな!各自 目の前の敵に集中しろ!」
原田は隊士に指示を出す。
隊士「しかし隊長!」
新八「グタグタ言うな!死にたくなけりゃ1人10人は倒せよ テメェら!」
永倉も隊士に言う。
隊士「は…はい!」
左之助「ったく 普段囲んでばっかだがいざやられると気持ち悪りぃことこのうえねぇな」
衛士が
衛士「あ〜そうそう 早く終わらせた方がいいと思いますよ?今頃あそこにこれ以上の敵が攻め込んでるころでしょうから」
と言った。
左之助「あそこ?」
新八「まさか!左之!こいつら新選組を潰す気だ!」