狼との恋

そして…
明里「なんでやの 山南はん!?なんで
…身請けのお金が置いてあったから嫌な予感がした…。けどこんなんあんまりやないの!山南はんは新選組で偉い立場なんやろ?なのに…なのになんで切腹なんてせなあかんの!?」
山南の切腹の刻が近づき原田と永倉に連れて来られた山南の島原の恋仲の芸妓
明里が前川邸の山南がいる部屋の前で泣き叫んでいた。明里を支えていたのは
恋だった。
敬介「すまない 明里 私はもう君と共にいることは出来ない。だから自由になれるように身請け金を置いておくしかできなかったんだ 本当にすまない」
明里「嫌や!山南はん!約束したやないの!一緒に暮らそうって…。なのに…」
敬介「明里…。そろそろ時間だ。
名残惜しい だけど…さらばだ!」
そう言い山南は部屋の窓を閉めた。
2人の今生の別れの瞬間だった。
明里「山南は〜〜〜ん!」
明里は山南の名前を叫び泣き崩れた。
そして…
明里「恋ちゃん…。山南はんの首を斬るの…沖田くんなんやろ…?」
明里が尋ねてきた。
恋「はい」
明里「ウチ…沖田くん…許せへん…」
恋「明里さん…。総司は!」
明里「でも…もっと許せへんのは…
山南はんのこと…気づいてあげられへんかった…ウチ自身や…」
恋「明里さん…」
恋はなんて言葉をかければよいのか
わからなかった。
明里「山南はん…。もう逝ってしもたんやろうなぁ…。ウチもそろそろ行きます
。こんなとこ…いとうないさかい…」
恋「明里さん…」
明里「ほな さいなら」
明里は屯所を後にした。