烝(すすむ)「会合場所が特定出来ておらず昼過ぎに走らせました会津藩への出動願いですが未だその手勢は到着しておりません。おそらく伝達に手間取ってるのかと思われます。さらに動ける隊士は34名。それに対し市中に潜(ひそむ)む浪士は40名。全て集結しているとは考えられませんが相当の人数がいるはず。…ここは援軍を待たれるべきだと思います」
山崎は今わかっていることを丁寧に報告した。それを聞いた原田が
左之助「34人だァァァ!!?なにいつの間にかへってやがんだテメーら!!!
ふざけんなー!!」
と言った。それを聞いた永倉が
新八「コラコラ 左之。今いる隊士に言ってどーすんのサ」
となだめた。それを聞いた藤堂は
平助「でも正直な話 日本男児が脱走だの風邪こじらすだのテメーら男かって言いたいよな」
と言い沖田なんて
総司「新選組(うちら)の会津公(だんな)
はんもおいでくれはらないなら今宵は祇園祭りの準備でもしていたらよろしゅうおすぅ」
と言い出す始末だった。それらを聞いた近藤が
勇「行こう。トシ」
と言った。
歳三「あんたならそう言うと思ったぜ」
左之助「よっしゃーーー!!!テメーら出動だーーー!」
原田は走り出そうとした。それを
歳三「おい バカ。隊分け説明してねぇしゃねぇか」
土方が止めた。
暮れ六つ時(午後6時)新選組単独による御用改めが開始された。鴨川を挟む東側は
原田 斎藤 土方ら24名。西側は近藤率いる沖田 永倉 藤堂 恋ら10名が捜査を開始した。