狼との恋

祇園 貸座敷 「山の緒」
土方が部屋に入ったとき新見は酒を飲んでいた。
歳三「失礼いたす」
錦「何だ?」
歳三「実は先日作ったばかりの局中法度に背いた者がいるのでその裁断を伺いに参りました」
局中法度
一,士道二背キ間敷事(士道に背きまじきこと)
意味 武士として間違った行いをしてはいけない
一,局ヲ脱スルヲ不許(局を脱するを許さず)
意味 局を抜けてはいけない
一,勝手二金策致ス不可(勝手に金策致すべからず)
意味 勝手にお金を使ってはいけない
一,勝手二訴訟取扱不可(勝手に訴訟取扱うべからず)
意味 勝手に訴訟問題にかかわってはいけない
一,私ノ闘争ヲ不許(私の私闘を許さず)
意味 自分の思い(希望)で戦ってはいけない
右条々相背候者切腹申付ベク候也
(右条々に相背き候(そうろう)者切腹申し付けるべく候也(そうろうなり))