「俺の親は、俺が小さい頃に交通事故で死んだ。当然、俺と妹は住むところが無くなり、親戚の人に引き取られることになった。」
「…」
「だけどその家の人は、両親がいない俺ら達に対して同情の目を向け、気持ち悪いくらいに優しかった。」
「…」
「だけど俺ら達にとってその態度はとてつもなく居心地の悪いものだった。」
「…」
「高校生になって働けるようになった俺は高校に通いながら働き、親戚の家を出て俺と妹で一緒に暮らしている。」
「親戚の人の言われた。“何で高校にまで通うんだ。高校に通わなくたって、生活はしていける”ってな。」
「…」
「親が死ぬ前、俺は小さいながらこう言ったんだ。“僕、大きくなったら高校に入って、一生懸命勉強していい大学に入るんだ!”って。」
「…」
「だから、こうして高校に入っている。」
