チャイムが鳴ると同時に教室に入ってきたのは
担任の藤田だった

藤田は教壇に立つと眠そうにしながら
出席を取っていく

3分くらいが経過して出席を確認し終えた藤田は教室を出ていった

優花は自分の席を立ち
いつも一緒にいる親友である
加藤愛実と日笠和美のもとへ歩を進めた

「愛実ー!和美ー!おっはよー!」
と優花は二人の肩を軽く叩き挨拶した

「おはよー!今日も眠たいね~」
と先に和美が返事をした

和美は三人の中で一番背が低くマイペースで少し天然なのが特徴だった

「おー!優花じゃん!おはよー」

と今度は愛実が返事をした

愛実はどちらかと言うとモテる方で
クラスの男子の中でも人気がある
元気で明るく、優しいのが特徴の子だ

「てか、優花さっき、赤坂くんのこと見て赤くなってたでしょ?」
いきなり不意をつかれたかのような質問を和美が投げ掛けてきた

「え?いや、そんなことないよ?」

「ほらまた顔赤くなってるー!」

「和美のばかー!やめてよー」

和美と優花の会話を黙って愛実が見ていると
赤坂がこちらへやってきた

「あ、亮くんこっちくるよ」
と愛実が優花へ伝えると優花の動作が止まった

「え?」
顔を少しあげると自分の目の前に赤坂が立っていた