もーほんとなんで離してくんないのー!?






「おい、いい加減離せよ。」





不意に聞こえたハルくんの声。


え、待って!?今のハルくん!?




そう思っている内に、ハルくんに腕を引っ張られた。



「行きますよ。」




やっと見えたハルくんの顔。


ものすっごい顔してます。怖いです。



もーコウキのせいだからね。



ハルくんがあたしの手を握って速足で歩き出したから、あたしも慌てて後ろを歩く。




「...ぜってー取り戻す。」



後ろでコウキがつぶやいた言葉は、あたしの耳には届かなかった。