「梨々花ちゃーん!待ってたよ~」

「あはは。ありがとう。わたしも会いたかったよ~」

「あれ、今日は友達と一緒?」

「初めまして。橘静流です」

「うわ~可愛い。俺、黒髪好きなんだよね」

「わたしじゃ不満なの??」

「ううん、俺は梨々花ちゃん推しだから!!!」

「ありがとう。竜聖くん」

遊びというのは、大学でよくある合コンやイベントのこと。
今回は立席合コンに呼ばれて参加している。

この子は水江竜聖(みずえりゅうせい)。
大学は違うけどよく遊ぶ男友達。

「静流、もし嫌なこととかされたらわたしに言ってきてね!」

「うん。梨々花ありがと~!ねぇねぇ、あの人に話しかけてきてもいい?一緒についてきて」

「え、ちょっと待っ…!!」

そこにいたのは、同じ大学で同じ授業をとっているわたしの苦手としている男の子……

「こんにちは♩」

「どうも」

「初めまして、橘静流です。お友達になってください」
静流のすごいところはすぐ誰にでも話しかけられることだ。

「こちらこそ。橘さん、同じ大学だから分かるよ」

「え!本当ですかぁ?」

もちろん、わたし同様、静流は有名である。
こんな黒髪ドストレートロングでフリフリの服着てたら誰もが一度は振り返ることだろう。
ちなみに親は社長。つまり静流は社長令嬢で超豪邸住まい。

「うん。隣は梨々花ちゃんだよね?」

「あぁ、はい」

いきなり話しかけられても反応に困るんだよなぁ…と思いながらも返事する。

「よろしくね」

「こちらこそ」









これがわたしの出会いの始まりだった。