「今日は2月14日ですけど、……まさか」
ピンと来たようだ。
「そうだよ、今日はバレンタインデー。もうすぐ終わっちゃうけど。」
そう言いながら、部屋に備え付けられている時計を見やる。
もうすぐ、午前0時になってしまうところだった。
「くるり様が……僕に?」
「だからそうだって言って……きゃっ」
変な声が出てしまった。
それは、急に碧が私を抱きしめたせい。
「……はぁ、こんなに可愛いことをしてくれちゃって、せっかく我慢していたのに」
そう耳元で、掠れたように囁かれるものだからビクリとしてしまう。
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