「いや~色々あってさ」 慶人は間を開けて言った。 「家なくなっちゃった♪」 頭でよーく、考えた。 『家なくなっちゃった』『家ナクナッチャッタ』『いえなくなっちゃった』 「え? どういうこと??」 「いや、うちの会社が倒産したみたいで」 はは、と笑いながら言うのは私の幼なじみ。 そして私の発言に、素早く返してくる。 頭がよく回る、賢い奴だ。