アネモネの花言葉…バレてたんだ。






だけど私はあんな風にキレイに咲く花をただずっと、慶人の心のどこかにしまっていてほしかった。






私という人物がいたことも。






正直、今はまだ何も飲み込めていない。






慶人に何が起こったのかも、会社に何が起こったのかも、どうしてうちに来たのかも、ハッキリは分かってない。






そしてこれから慶人はどうやって暮らしていくのかも、私は何も分かっていない。






もし一緒に暮らすんだとしたら…。






昔の、子どもの頃の私なら、きっとスゴく嬉しかったと思う。






もちろん、今だって嬉しくないわけじゃない。






マンガとか、小説とかでよく見たことがあるし、憧れる。






だけどもうこんなに大人になってしまった。





だから、少しだけ抵抗がある。





“男と一緒に暮らす”ということが。




慶人だって今はもう十七歳で立派な男だから。