「ちょっとちょっと〜 今のって瑞樹先輩じゃん!!」 いつの間にか、隣に居た遊佐が話し出す。 「運動も出来て〜勉強も出来て〜性格も良くて〜顔もイケメン♪」 くるくると回りながら話す、目が回らないのかな。 「でも彼女持ち〜」 しょぼーんと分かりやすく肩を落とす。 “一目見た瞬間、胸がきゅぅってなるの” 泉ちゃんの声が、頭の中で再生される。 私の胸は、あの人を見た時、きゅぅっとなっていた。