☆二時間前



「夏お嬢様。」



メイドの佐藤が私の名前を読んだ。


外を眺めながらお茶を飲んでいた私は、


「なあに?」


と振り返った。


「今日は春お嬢様が帰ってこられる日。髪の毛を整えてよろしいですか?」


「あ、そっか。いいよ。よろしく。」


そう私がいうと、佐藤は私の髪を整え始めた。



今日は姉様が帰ってくる日。


私のお姉さんの春姉様は売れっ子モデルをしていて、あまり家に帰ってこない。


だから、姉様に会える日は毎回楽しくて仕方ない。


そんなことを考えていると、ピンポーンとチャイムがなった。