ガチャリ


鍵を開けた音で目を覚ました。



母が帰ってきた。



「おかえり。」


玄関まで行き母を迎える。



「梨子..まだ起きてたの?だめよ〜ちゃんと寝なきゃ将来肌ボロボロよ?」



...お母さん痩せたな..くまもある。



「大丈夫だよ。今起きたの。お母さんだってそんなに働かなくてもいいじゃない。」



今は夜中の2時。



母は昼間はスーパー、夜は知り合いのスナックで働いている。



「あんたはまだ子供なんだから変な心配しなくていいのっ。ほら、寝なさい?」



「ん。おやすみ。」



母は私がお金を稼ぐというと、いつも『あんたは子供なんだから』っていう。



私はそれが嫌いだ。



私がアルバイトしたっておこずかい程度だし、まだまだ子供なこともわかっている。



でも、私も母を助けたい。



はあ...。寝付けないな。早く寝なきゃ。



正直そこまで働かなくても暮らしていける。



私を大学まで行かせるつもりなんだと思う。



奨学金もあるけど、プライドが許さないんだろうな...。



そんなことを考えていたら、いつの間にか寝ていた。