それなりに裕福だった私の家。



でも父が死んでしまった今、専業主婦だった母が働かなければ暮らしていけない。



たくさんの思い出が詰まりすぎていた家を売り払い、母の地元にやってきた。



今は2人で住むには少し狭いアパートに住んでいる。



でも、この狭さが今の私達にちょうど良かったりする。



広い家に1人は寂しい...かな。



写真の中で笑っている2人に目を向ける。



はあ...。



ため息をつき、視線を自分の足元にやる。



..今日もだめかな...。



私はまだ2人に向かって手を合わせられていない。



2人が死んでしまった現実から目を背けている。