ぐるっとクラスを見回す。



でも声をかけてくれる子はいない。



はあ...。

ま、仕方ないか。

と思い、また校庭に目をやった。



パチッ



他学年らしき男の人と目が合った。



なんとなく気まずくて、見ていなかったように逸らした。



「ねえねえっ!今颯先輩こっち見てるよね?」

「見てる見てるっっやばいちょーーーかつこいい!!」



自分にかけられたわけじゃない声に、耳を傾けた。



ふ〜ん。あの人モテるんだ。

なんて思いながら、"颯先輩"に視線だけ向ける。