「はぁ…、はぁ…、はぁ…」

「もう、大丈夫だろ」

新谷さんが手首から手を離す。
あ、それはそのままでも良かったんだけど…。
とにかく、疲れたぁ。

「はぁ…、はぁ…、はぁ…」

私も里乃も息が切れて『はぁ』しか言えてない。

「大丈夫?」

新谷さんが心配そうな顔してる。

「はぁ…、だ…、大丈…夫、…です。はぁ…」

「あんまり大丈夫そうでもないね」

「はぁ…」

「息が整ってから、一旦、ホテルに戻ろう」

「はい…」

ああ、ほっとしたら、余計疲れたぁ。