黒服たちのどどどどっ!って、足音が迫ってきたっ。あいつら、もう、道路横断歩道したんだ。
もう、走るしかないっ!

「こっち」

新谷さんの所までなっとたどり着いたら、新谷さんは、私と里乃の手首をグッと掴んで走り出した。
あああーっ、速いっ!
足がっ、足がっ、ついていかなーいっ!
なんて言ってる場合じゃないっ。
新谷さんに引きずられながら、私たちは、オフィス街に紛れ込んだ。