「現にいるじゃん、隣の部屋に」

「う〜ん」

「それに、柳沢さんのことだって、知ってたじゃん」

「そうよねぇ。これ、本当にシリウスのかけらなのかなぁ」

里乃はお守り袋を引っ張って持ち上げて見る。

「もし、違うとしてもさ、新谷さんと、一緒に旅行が出来るんだもん、ラッキーじゃん」

「そうそうそうっ」

寝転んだまま顔を見合わせた私たちは、どちらともなくニマ〜っと笑ってしまってる。

そして、私と里乃の『幕末ツアー』の初日は、不思議な出来事に巻き込まれたようでいて、結局、別に何事もなく、過ぎていった。