あたしもっと。

「あ〜っ」

と、まず、伸びをしてから、

「なんか、とんでもないことに巻き込まれたみたいね」

って、里乃が天井を見たまま呟いた。

「うん」

「本当なのかなぁ、新谷さんの話」

「何?里乃、信じてないの?新谷さんのこと」

「嘘ついてるって思ってるわけじゃないんだけど。だって、桂小五郎の遺言よ。今時、そんなの、本当に守ってる人がいるなんて、信じられる?」