シリウスのかけら

「…馬鹿かも、ね。じゃ、夏休みに」

「おう」

バスが動き出した。

窓際に座って、新谷さんと別れを惜しんでた里乃の横に座る。

「旅行、終わっちゃったね」

「うん。…ねぇ涼子」

「何?」

「柳沢一族に入れるかな、私たち」

「どうかなぁ。…でも、可能性はゼロじゃないよね」

「うん。だって私たち、秘密を共有してるんだもんね」

って里乃の言葉に不敵に笑い合う私たち。