「俺たちも、戻ろう」

「でも、東郷が…」

東郷はまだはいつくばって探してる。

「どうせ、見つかりゃしねーよ。ほっときゃああさ」

高木がそう言うなら。

「歩けるか?」

「おぶってもらえば?里乃」

「ううん、大丈夫。ゆっくりなら歩けるから」

「そっか、もう走らなくてもいいんだったね」

「じゃ、行こう」

「うん」

何かにとりつかれたように一人、シリウスのかけらのかけらを探し続ける東郷を残して、私たちは山を下りた。