シリウスのかけら

「なんで戻って来たのよっ!」

「…うるせー」

「ほほぉ、感心な坊やだな。仲間を助ける為に戻ってきたのか。じゃ、シリウスを渡してもらおうか」

「その女を放すのが先だ」

「馬鹿を言うな。まぁいい。そっちは返してやろう。おい」

「はっ」

男が里乃の腕を持ってグッと引き上げると、高木の方へ押し出し、里乃はグラッと、高木の腕に倒れ込んだ。

「大丈夫か」

「うん」