シリウスのかけら

「男を追えっ」

「はっ」

どうしよぉ。そうだっ!
「シリウスはっ、私が持ってるっ!」

「なに?」

東郷が近寄って来た。

「本当かね?」

東郷が私の顎を掴んで疑わしそうに顔を寄せてくる。
げっ。
近くで見る顔じゃない、この顔。
気色悪ぅ。

「じゃ、出して貰おうか」

「その前に里乃を放して」

「涼子」

「いいだろう。放してやれ」

男は里乃から腕を放した。