シリウスのかけら

「男が逃げるぞっ!」

「追えっ!」

そうはさせないっ。
この細い道に、里乃と私は、両手を広げて仁王立ち。

「どけっ!」

「どかない」

「痛い目にあいたいのかっ!」

「あいたかない」

「ちっ。どけぇっ!」

かかって来たぁ!
そんな簡単にどいてたまるかっ。
男なんてもんは、これに限るっ!

「え〜いっ!」

必殺、急所蹴りっ!

「うっ…」

参ったかっ。

「この尼ぁっ!」